大津地方裁判所 平成4年(む)100号 決定 1992年6月30日
主文
本件準抗告の申立てを棄却する。
理由
一 本件準抗告申立ての趣旨及び理由は、申立代理人作成の準抗告申立書記載のとおりであるから、これをここに引用する。
二 そこで、検討するに、申立人が主張する本件準抗告の申立の理由自体から、申立人は司法警察職員が本件名刺を差押処分時の立会人に還付した事実を了知しており、また格別の財産的価値等を有しない本件名刺については、所有者から被還付者に請求すれば、容易に返還を受けられることが客観的に明らかであるから、本件については本件還付処分の取消を求める申立ての利益がないものというべきである。
三 よって、本件還付処分の違法性について判断するまでもなく、本件準抗告の申立ては理由がないから、刑事訴訟法四三二条、四二六条一項により、主文のとおり決定する。